この春まで主戦を務めた石橋守ジョッキーとともに“雑草”“いぶし銀”などと形容されてきたサムソン。その由来はまず、家族経営の零細牧場で生まれたこと、父がオペラハウス、母が未勝利馬という地味な血統馬であることなどが挙げられる。さらに松本オーナーが定年目前の瀬戸口勉師とともに訪れた牧場で、引き取り手がなかったサムソンを瀬戸口師が見初め、700万円で購入。格安馬であったことも“雑草”といわれる由縁である。
デビューに際しても、当初福永ジョッキーに騎乗依頼していたが、スケジュールが折り合わず、石橋守ジョッキーに声が掛かる。入厩当初は、厩舎スタッフも
「馬というより牛みたいにモッサリしていた」
というように、お世辞にも期待をかけられた馬とはいえなかった。
そんな下馬評を覆し、デビュー後のサムソンはじょじょに頭角を現してくる。
デビューから初勝利まで3戦を要したが、野路菊S優勝後の東スポ杯2歳Sでは、後に2歳王者となるフサイチリシャールの2着。続く中京2歳Sではレコード勝ちと、1戦ごとに力をつけていく。
スプリングS優勝で迎えた皐月賞では、“いぶし銀”のイメージと前走をフロック視されて6番人気。しかし、好位から早めに抜け出して後続馬の追撃を振り切り優勝。デビュー22年目の石橋守ジョッキーにとって初GI制覇、瀬戸口師にとっては、ラストイヤーでのクラシック制覇となった。
2冠目のダービーではその実力が周知のものとなり、堂々の一番人気。レースでも逃げたアドマイヤメインをゴール直前で交わして優勝。夏の小倉デビュー馬では初のダービー馬となる。
しかし、3冠のかかった菊花賞では速い流れに対応できず、ソングオブウインドにレコード勝ちをさらわれる。サムソンは期待に応えられず4着。
3歳時にジャパンC、有馬記念と連戦するが、同世代のドリームパスポートの後塵を拝し、世代最強の座を同馬に明け渡す格好で休養に入った。
今春は瀬戸口厩舎解散に伴い、高橋成厩舎に転厩。産経大阪杯で復活Vを果たし、春の天皇賞も強い競馬で快勝した。先の天皇賞・秋も新コンビを組んだ武豊ジョッキーを背に優勝し、天皇賞春秋制覇を達成した。通算成績19戦9勝、獲得賞金8億9464万円。











