まず、天皇賞(秋)は前を追いかける展開でしたから、サムソンにとっても厳しいレースだったはずです。それを直線半ばで先頭に立って、最後は2馬身半差ですからね。いくら外の馬たちに不利があったといっても、この勝ちっぷりは能力がひとクラス違いますよ。こういってはなんですが、石橋守騎手はペースに関係なく自分から動いてしまう余裕のない騎乗が目立ちましたが、武豊騎手は実に落ち着いた無駄のない騎乗でした。天皇賞の“2馬身半差”が、この馬本来の能力だと思います。
馬体にも変化があります。宝塚記念前と天皇賞前の馬体を見比べてみてください。まず、春の馬体は肩から胸、亀甲から背、そして腰、脚元の付け根あたりまで、秋の馬体と比較して筋肉が盛り上がっている。ヒ腹の部分はアバラが出ているにもかかわらず、ボテッと左右に張り出しています。
ところが秋は、亀甲の部分に影が出ているようにメリハリが出て、胸前もスッキリ。腰にかけても全体的に薄くなり、よって腰の角度が鋭角になって小さく見えます。ヒ腹のラインも、この馬なりにスッキリとしていますね。
わたしが見るに、春の馬体は余分な筋肉が付きすぎです。しかし、宝塚記念と天皇賞(秋)で馬体重に変化はありませんから、付くべきところに必要なぶんだけ筋肉がついてきたということでしょう。馬体的にも完成されてきましたね。サラブレッドがもっとも充実するといわれる4歳秋ですし、ジャパンCではさらに強い姿を見せてくれるんじゃないでしょうか。(伊藤友康)










